五輪までに街のつながりを強める、有明まつり

直江 麻衣子 (東京都江東区有明    )

五輪までに人のつながりを強めたい

 江東区有明は2020年には、五輪会場が立ち並び、多くの人や物の流れが劇的に変わる。今は、オフィスビルや企業の物流倉庫があり、住民9000人の多くは、タワーマンションに住み平均年齢は40代前半の新興の街。街の課題は、人とのつながりの薄さ。これからの変化に備えた街づくりの一貫として、自治会長、マンションの理事長、小学校中学校校庭(施設一体)での祭り開催要望を受け、小学校校長先生と連携し、PTAに協力を求め、祭り開催を通し、地域と学校の橋渡しを行う。当日は、盆踊りのやぐら、屋台店が立ち、和太鼓の音を聞きながら推定3500人の人が集まり、近所の人が、いつまでも語り、飲み食いを楽しむ姿は、祭りの力を実感した。人との笑いがあるから、人は協力を始め、感謝から街への愛着が増すのだと思う。何よりも、有明が故郷になる子どもたちに、“有明まつり“は最高のプレゼントになったのかもしれない。

こども屋台店で販売体験を計画

有明まつりには、企業やマンションの屋台店以外に、こども屋台店の出店を計画した。出店体験は、こどもが保護者のサポートを受けながら、仕入れ、店作り、販売、収支管理、清掃を体験することで、店の運営を真剣に考えたり、難題を乗りきる方法を工夫したりし、こどもが失敗を恐れず、場数を踏む機会になることを目的とした。

この体験は、初対面の人との接客や、現金を扱うことの緊張感があり、仲間と助け合う喜びや、達成感を味わえたようだ。この一連の経験を通して、小学5年生男児は、「初めて売る体験をして、お商売をしている人の大変さと、楽しさがわかった」や「この経験を将来に役立てたい」と感想を言っていた。

こども主体で作る屋台は保護者にも好評で、来年は出店倍率が上がる予想だが、やる気のあるこどもには全員に機会を作ってあげたいと思う。こどもの本気が付き添う大人にも移り、祭りの活力源をこどもから引き出せたと思う。


【プロフィール】

通信会社法人営業を経験後、海外で出産育児を経て、2009年小学校英語指導者資格取得2013年GCDF-Japanキャリアカウンセラー資格取得。2015年キャリア教育コーディネーター資格取得。

 <事業実績> 

認定NPOキーパーソン21で、東京、神奈川での小・中学校高校でのキャリア教育プログラムの実施。

http://www.keyperson21.org