「自分でできる」を増やす小学生のキャリア教育

権堂 千栄実   (福岡)

自分で考え行動する仕組み

 

小学校でのキャリア教育の目当ては「生きる力」の源である、生活自立(日常生活で人に頼らず自分でできること)を促すことです。例えば小学2年生は、まだまだ子どもで大人が支援しないとできないと事が多いと思われます。しかし、自立できる仕掛けをすれば小学2年生でもできることが沢山。この写真は小学2年生の図工の授業。建設甲子園九州地区の皆さんにご協力頂き、段ボールの家作り授業をしました。途中わからないことがあれば大人がサポートしますが、児童たちは、家の設計図と組み立て手順を見ながら、チームで話し合い、役割を分担して自分たちで家を作ります。小学生でも自分で考え行動できる、キャリア教育授業の支援を行っています。

 

仕掛けた活動は無限の広がりへ

 

 この段ボールの家はドアだけがある家でした。授業作りを学校の先生と打ち合わせしたとき「小学2年生は握力が弱く段ボールのような厚紙は、はさみでは切れない。児童にハサミを使わせないで欲しい。」とのこと。よって作業手順は「ドアをかく」として、あとは建設甲子園の職人さんが切る予定でした。しかし職人さんたちがドアを切り始めたら、児童から「切りたい」コール。先生の許可を取り、自由に切らせると、まぁ個性豊かなドアができました。更に「窓も作りたい」となり、予定外の窓のある家になりました。「自分でできる」を体感すると、児童はどんどん自主的に考え活動するようになり、その活動の幅は大人の想像を超え、無限大に広がります。児童の秘めている「ちから」を発掘し発揮させることができるものキャリア教育授業の効果です。


 【プロフィール】

株式会社Campanula代表取締役。 キャリア教育コーディネーター、キャリア・カウンセラーとして活躍し、社内の教育カリキュラムの開発や仕組作りが専門。キャリア・カウンセラーのスキルを活かし、人が持っているキャリア(経験)の活用方法を導くコンサルティングや研修を得意とし、農林水産省事業関係のキャリア教育や大学非常勤講師の実績を有する。

<事業実績>

2010年地域連携キャリア教育プログラム「Jobstudy.jp」を開発

2017年度までの 累計実績 小学校14校 2,967名(全学年でキャリア教育の実績校含む)

http:// http://www.jobstudy.jp/