人口減少に立ち向かうキャリア教育と地域活性の実践

米藏 雄大   (鹿児島県)

桜島に密着した取り組み

 

 桜島に事務所を構え、鹿児島県内の子ども・若者のキャリア教育の支援を行っています。活動の拠点になっている東桜島地区は、良質な温泉が出ること、きれいに火口を展望することができること、作家の林芙美子氏の文学碑があり観光業で栄えました。しかし、時代とともに客数は減少し、住民の高齢化が進んでいます。高齢化率は70%前後、子どもがいる家庭は数えられるほどとなりました。

 本地域で、地域活性、多くの人に桜島を知ってもらう取り組みを子どもたちと行っています。2017年度は地域の魅力を伝えるためのポストカード、映像をアーティストと一緒に制作しました。完成したポストカードは、鹿児島市へ寄贈し、所轄する建物などにて配布しています。先代が愛した地域を少しでも継続できるように、現代の社会の流れに合わせて、少しずつ地域と子ども達の意識を変化させる取り組みを、引き続き行っていきます。

 

《海と桜島のあいだにある「改新小学校」便り》

https://www.youtube.com/watch?v=HjhqI8T_DQQ

県内の小学生〜大学生のキャリア教育

 

  2014〜15年の県内の人口減少数は、13,548人。18歳での県外流出は約6,417人と推計しています。多くの子どもたちが、高校卒業と同時に県外へ出てしまう状況があります。進路と地域の未来が重なるキャリア形成について考える機会を提供する活動を行っています。

【活動内容】

①     公立・私立高校の総合学習の開発運営、校外でのプログラム開催。2,020年に始まる、大学入試改革や社会の変化に適応したプログラム。探求、問いを立てる授業、社会人との接点をつくる授業などを行っています。

②     大学生を対象にキャリア開発に関連する授業。課題解決のプロジェクト学習を中心に沿えて、社会人基礎力を身につける内容。ルーブリックでの学習到達度調査も行い、事前事後の変化を可視化しています。

③     桜島の子どもたちと地域が連携したプログラム、学習スペースの開催運営。

 

 

 

 


 【プロフィール】

愛知県で大手アパレル会社に勤めるも、社会や働くことに関する仕組みに問題意識を持ち、NPO法人アスクネットへ転身。社会とつながる体験や講話を通じて、学校と社会の連携を促しながら、子ども達により積極的に進路を考える機会を提供する。同時に、子どもの非行防止や居場所をつくるNPO法人全国こども福祉センターの活動に参画。

          平成29年度に鹿児島県にて一般社団法人folklore forestを設立。

                                 <団体HP> https://folklore-f.org/